ネコのジンゾウ

腎臓が弱ってきたマメが、薬を飲む以上に気を付けなければならないことがある。それは、水!

腎臓が弱ってくると水をたくさん飲みたがる。飲みたがるうちはまだ良いらしい。飲まなくなると毒素が排出できなくなるので、とにかくお水はたくさん飲ませないといけない。
そんなこと言われても……どうやったらネコがたくさん飲んでくれるんだろうか?

心配には及びませんでした。
我が家はおととしの夏、リフォームをした。このリフォームは心底、ワレラ夫婦のメンタルデトックスになった。リビングと洗面所をリフォームしたのだが、この洗面所が意外にもマメとテンに好評だった。
それまではお風呂のおけに水を溜めておくと、それを飲み水にしていた。
今もそれは溜めてあるが、それよりもお気に入りなのはこちら。

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↑こちら、只今順番待ち

リフォームしてからというもの、「水を出せ出せ」と催促される有り様。
異常に水を飲みたがるのも要注意なのだが、飲まないよりは良いので「はいはい」と家来のように水道の蛇口をひねるワレラ人間夫婦。

洗面所以外では、テンったら女の子なのに、こんなに行儀が悪くてどうしましょ。

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まあ、人間のご飯が終わったあとなので特に叱ることもないが、わざわざこんなとこで飲まんでも~とは思う。

一番若いポヂは、そんな不良中年の真似はせずに普通に水入れから水を飲む好青年である。

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美味しかった? 良かった良かった。

我が家のネコたちは、何年か前までは『ネコの草』を買ってきて育てて食べさせていた。
これは隠し場所が大変だった。見つかってしまうと、どんなに高い場所に乗せて置いても、どうやって登ったか、いつの間にやら落として食べてメチャメチャにしてしまっていた。
それでも「くれ~くれ~」と、とても楽しみにしてるので時々、食べさせていた。
マメとテンの「くれくれ」声で「なんだ?いいモンか?」と飛んでくるポヂだが、野良猫生活が長かったせいか、彼にとって草は食べ物ではない。
なんでそんなモン食いたがる?と、一心不乱に草を食べるマメテンを不思議そうに見ている。
が、急にハッと「草の匂いと形をした別の美味いモンか?」と匂いを嗅ぎ始めるが、やはり草。「んー?」という感じで離れる。
ガキんちょのポヂには分からない草の良さ、これは大人の味なのよと言ったところか。
ところが!
草を食べさせて毛玉を吐かせるということはダメだったようである。
動物病院のオトコマエ先生いわく
「吐くという行為自体、食道や胃に負担をかけるし、草で胃や食道の粘膜を傷つける」
からだそうである。
草がダメなら、ネコの毛玉はどうすれば?
それはこの薬。

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 ラキサトーン

猫の腸内の毛玉の除去及び形成防止

これを教えて貰ってから、草はやめてこの薬に切り替えた。
こちらはマメに限らず、3匹全員飲ませている。
ただ『用量を厳守』と書いてあるし、所詮は薬なので乱用は控えている。
オトコマエ先生の家では、猫が吐いたら3日間その薬を与えてまた何ヶ月後に吐いたら3日間薬を与えると言っていたので、ウチもそうすることに。
けど、なかなか3日間は続けられない。
ご飯とご飯の間という、お腹の中が空っぽ状態の時に与える薬だから、うっかり忘れてしまったりみんなご飯時間ギリギリまで寝てて起きてこなかったりするので、せいぜい1日というところか。
与えすぎるのも怖いので、これでいいやといい加減な飼い主である。
ちょうどいい時間に起きて来てぼんやりしてる時がチャ~ンス。
隙を見計らって口元にペチャッとつけてやると、嫌がって舐めてしまうのである。
薬だからね。みんな大嫌いだ。
テンの口元につけていると、それを見ていたポヂがすでにもう逃げ去っている。
3匹いるとホントにもう……。
ただ、テンが一番、敏捷で高い所に逃げてしまうので、テンさえ終わればあとの男チームは楽勝だ。男チームは、逃げても隅っこでうずくまってるだけだから。

とまあ、我が家のネコのデトックスはこんな状態でしょうか。
とにかくご飯食べてお水さえ飲んでくれていれば安心なので、呼ばれるまま水道の蛇口をひねりに行っている。
お水をたっぷり飲んだあとは、なぜだかこんな風にこちらを見ていることがある。

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ポヂみたいに置き水じゃなくて、新鮮な水道水で良かったね、マメ。
太らせすぎてはいけないと気を付けてきたが、これからのマメは太らせなければいけない。好きなモノをたくさん食べさせていこうと思ってる。
人間もネコも老いていくのは同じだが、ネコの方が圧倒的に老いる速度が速い。
切ないけれど、そうでなくては困る。

大島弓子著の『グーグーだってネコである』というマンガがある。

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 グーグーだって猫である

この人のマンガは学生時代から大好きで、いまだに購入して読んでいる。
この中に、とても共感できた言葉があった。

『病気しませんように
 事故にあいませんように
 この家の生活がたのしめますように
 そして天寿を全うしたら
 このわたしがグーグーを送ることができますように』

家族同様に暮らす動物が死んでしまうのは、とても哀しい。
でもそれよりも、自分が送ることの方がずっと重要である。
私の胸に漠然とあった気持ちをとてもハッキリと表現してくれた言葉だった。これを読んだ時に「人間が先に死ぬこともあり得るのか」ということも認識し、ネコのための遺言を書いておこうと思ったぐらいだ。書き方まで調べた。まだ書いていない。来週の飛行機に乗るまでに書いておくべきか? ……縁起でもないから帰ってきてからにしようかね。


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