その日も暑かった。
そろそろ、夕ご飯催促の時間だなぁと思っていた。案の定、マメとポヂが隣で待機だ。
お腹すいたかい? ご飯にしようね~とキッチンへ向かう。
すると、そこには!
セミの羽と胴体部分が散乱。
「あ~やってもたな」
こんな殺戮をするのは、あのオンナしかいない。
匿名希望 女 推定8歳
うっかりもののセミがベランダに来ると、どんなに眠くても暑くても速攻でベランダに駆けつけるオンナ。
ウチの男チーム、狩猟本能は去勢手術と共になくなってしまったのかしらん?
と思わせるぐらい、おノンキ君たちである。
セミが近くで鳴こうが雀が近くに来ようが「ふ~ん」という感じ。
ところがこのオンナは違う。
一旦、逃したセミが再びやって来るまで、炎天下のベランダで一日中、待ち続けてしまうのだ。恐るべし。
きっと、こんな目で待っているに違いない。
……コワイ
「もーやだなーテン子はぁ。セミ食べてお腹こわすくせに~」
と言いながら、セミの羽と胴体を片づけた。
すると……冷蔵庫の方からなにやら聞き慣れないような聞き覚えのあるような音が。
ジ、ジジジ、ジ
私はもう慌てて夫へメールした。
以下、ヘッポコ夫婦のメールのやりとり。
私
【殺戮の跡】
食べ残し。どうやらセミ。また下痢か?
それよりさー、冷蔵庫の下あたりから、セミらしき音がするんだけど~。
ジ、ジジ、ジ、ジジジ
ずっと。延々。
夫
【コワイ。蝉!】
たぶんテンにやられて胴体半分無いよ。その蝉。
うわああああ。
写真撮って、アップすべし!
私
【ふ、ふふ】
やっぱりそう思う?
あのね、外に残ってたのは羽と下半身のみ。あと、ないの。
今はシーンとしてる。死んだ? 怖~い。撮れな~い。
………
その後、ジジジという音は二度と聞かれず、でも怖いので、冷蔵庫の下は見ていない。
年末あたりの忘れた頃に、瀕死状態だった胴体半分のセミの死骸を大掃除とかで発見するのかなぁ?
ヤだなぁ。
可哀想だったねセミ。ごめんねウチのテンが。アーメン。
テンにストレスを与えられていた私に、今度はポヂが!
暑い日はガラスが冷たくて気持ち良いせいか、いつも私のジュエリー箱の上で眠っていたポヂ。
ある日、ふと見ると、
ゲッ!
あ~やってくれたわ。
怪我がなかったかポヂの肉球を調べる。なーんともなってない。
あーもー。
きっとガラスの上で「う~ん」と前足に力を入れて伸びをしたんだな。
6キロ以上の体重にガラスが耐えられる訳がないよ。
しょうがないけど、なんだかなぁ~。
とポヂにストレスを与えられていた私に、今度はマメが!
その夜も暑かった。
短パン姿で、タオルケットも床に落ちた状態で爆睡していた私。すると、
「痛っ!」
どういうわけだかマメがやたら足首に噛みついてくる。
「痛いよマメ、何よ!」
叱ると、マメはすっかり戦闘モード。
耳なんか思いっきり後ろに倒して睨んでいる。
半分寝ぼけながらもイヤな予感がした私は、落ちていたタオルケットを拾って足を隠す。
マメに足が当たらないように縮こまる。
しかし、時すでに遅し。
「痛てててて!」
今度は膝にタックル、思いっきり噛みつかれた。
真夜中で眠いうえにかなり痛い。頭にきた私はムリヤリ起きあがり本気で怒った。
それでやっとマメは向こうへ行った。
時々、こういうことがある。なんだろう??? さっぱり分からない。
自分もベッドで寝ようとして私の足が邪魔だった? それでイラッとしたか?
うーーーーん分からない。
本当に我が猫たちながら疲れる。
まったくわかりあえない。
そう思うが、こんな顔を見るとやっぱり好き好き~と思ってしまうのだ。
テンのお得意、キョトン顔。
ベロ、しまい忘れ
1分ぐらい出てた
ポヂはいつも何かを枕にしてる。
暑い日のマメ。
何かの下に隠れると、少しでも涼しいのだろうか?
マメのフワフワしている白い腹を触るのが好きだ。
噛みつかれるけど。