テンは、サンが来てもそれほど気にはしていない。
ただ、玄関脇の部屋で、オットの猫なで声が聞こえてくると少し気にする。
だが、サンの部屋には行かない。
アタシの兄さんは、あっちで誰とナニしてンのかしら?
テン子ちゃんは、オット兄さんが大好き。
ある時から急に大好きで、
兄さんがちょっと立ち上がるだけで、勘違いして寝室へ走っていくのだ。
オットも嬉しそうに「テン、まだ寝ないよ~」と言う。
すると、慌てて戻って来るテン。
そんな好きか?
そんな好きなのである。
テンは、甘えたいと手を舐めてくる。
私は、猫アレルギーを持ってるので舐められたくない。
カユい。
その点、オットは全く平気なので、テンの気が済むまで手を舐めさせてやってる。
特に、我らが眠る前、テンは延々とオット兄さんの手を舐めている。
それが習慣化し、寝る前のセレモニーとなる。
一度、眠ってる私の手をテンが舐めたのをオットは見たという。
私は邪見に「もぉ」とテンの顔を払ったそうである。
「可哀相に。テンはその後、ボーッとした顔になった」
そんなこと言われても。
意識ないから、しょうがないじゃん。
オットは、眠る前のセレモニーをテンへのサービスだと思ってる。
ただ、私の観察ではちょっと違う気がする。
テンは、オット兄さんの手をさんざん舐めながらゴロゴロ言う。
オット兄さん、2分もあれば眠りに落ちる。
するとテンは、どこかへ行ってしまうのだ。
やれやれ、やっと子供が寝たわ。
私にはそう見えた。
お母さんのつもりか?
そんなふうなので、オット兄さんの猫なで声は気になるが日常通りのテン。
過労で倒れたポヂとは違う。
そのはずなのに。
どうした? テン子!
寝てるかと思いきや
アタシの兄さん、
あの部屋で誰と…?
目が虚ろ……
お転婆テン子ちゃん。
兄さんだけが唯一、好きなオトコなのに。
あとのオトコ(マメポヂ)どもは、大ッ嫌いなのに。
さらにもう1匹、嫌いなオトコ(サン)が増える予定なのに。
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